アカデミア (MGH) からインダスリーへの橋を架ける

昨日、Bridging Academia with Industryという集中プログラムを終えました。

まだ数年の歴史しかない若いプログラム。
その主眼は、MGHという巨大academiaのサイエンス (年間12億ドルの研究費)を、industryのパートナーと一緒に仕事をすることによって、世の中に送り出していくというもの。MGHの新しい長期戦略にも組み込まれているので、その位置は重くなっているはずです(そしてMGHは35%の取り分をとる)。MGHがそのスタッフ研究者から20人ほどをピックアップし、6ヶ月みっちり鍛えていくもの。

MGH救急部からは僕が初めての選抜となり(いつもファースト・ペンギンの役目)、大きな学びを得ました。僕の方でもタイミングが良かったと思います。きっと3年前では心に刺さらなかった。
過去10年間、本気でサイエンスをやってきて、フェローの先生方と楽しく大きな仕事をしてきました。僕らの乳児の細気管支炎サイエンスは世界をリードしているし、教科書を書き換える仕事をしている、という誇りがある。僕らの仕事は10年後の診断治療戦略パラダイムを変えるポテンシャルがある。一方で、自分たちの仕事を患者さんに届けるには、数多くのステップを越えなければいけない。少なくともMGH/ハーバードというアカデミアに閉じこもっているだけでは、間違いなく世の中に届かない。「このままでいいのか」、「どうやっていいのかわからない」という葛藤を抱いていたのが過去一年でした。
このプログラムは、自分の前に広がる大きな機会(成長と失敗の両者)と社会インパクトの可能性に気づかせてくれました。


プログラムの目的は3つ: 1) 先行者のさまざまな話を聞くことにより、持っていたアカデミアという枠を取り払う (違う可能性に気づかせる)、2)ネットワーキング 、および3) チームでプロジェクトを走らせ経験する、というもの。

1点めは、第一線のゲストからの話を聞く・質問責めにすることによって行われます。例えば、
– 急成長したVertexのような会社のCEOによるtranslational story (創薬、デバイスともに)
– MGHとindustryの境界線でtranslationを行ってきたサイエンティストのストーリー(Mason Freemanなど)
– ベンチャーキャピタリスト (Third Rock Venturesなど)の視点から、イノベーションの戦略
– MIT SloanのAndew Loによる、リサーチのトランスレーションをいかにlicencing/exitしていくかという授業(最高に面白かった)
– 知的資産 (IP) 専門家・弁護士によるIP戦略

アカデミアでいい研究をしていくことはとても大事なことです。
これまでのように、質の高い論文書いて、学会でリーダーシップをとり、NIH R01グラントを取り続け、学内を順調に昇進していく、それも立派な一つのキャリアです(というかMGH/ハーバードではこれが王道中の王道)。しかし、サイエンスを世の中に出すという事業には、全く違うスキルセット・マインドセット・知識そしてネットワーク(上記目的の2点めですね)が必要です。そもそも僕は権威が嫌いな跳ねっ返りだから、「王道」とかのキャラじゃないし。


さらにプログラムの一環として、最終プロジェクト(自分たちのサイエンスを商品化し患者まで届けるまでのプラン)を作り上げます。最終日にはpitch deck competition (サイエンティストとベンチャーキャピタリストに売り込むコンテスト)で優勝。まったく期待していませんでしたが、15万ドルのグラントを勝ち取ることができました。ちなみに僕の懐には入りません。

他のチームも強敵揃いでしたが、我々の勝因はおそらく以下となります:
– The unmet needが大きく、しっかり定義されていた
– 市場セグメントがそこそこ大きく、competitorsが弱い
– そんなにハイテクではないが、実際的. 一人の審査員に聞くと“ready to go” という印象だったと
– FDAなどのregulation審査を乗り越える可能性が高い
– IPの戦略がしっかりしている
– Reimbusable (つまり儲かる)
– プレゼン力
世の中に出すために一歩一歩進んでいこうと思います。

他にもMass General Brigham全体で世の中にインパクトを与えるための仕事を準備しています (まだステルスモード)。更なる成長の機会とインパクトを与える機会にワクワクしています。

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