2017年ももう終わろうとしています。BostonはHoliday seasonから急激に寒くなり今週は最高気温-12℃という日もあるようです。
最近は友人たちと食事など一緒にする機会が多く、渡米してからのことを振り返るいい機会となっています。
MPHを取ると何ができるのか、自分なりの今の解答を自身の備忘録も兼ねて書いておこうと思います。
ちょうどこの時期はMPH受験の人たちは各校の出願締め切りが大体終わり一息ついているころと思います。Harvardは12/15が締め切りで、2年前のそのあたりの時期に、当直先の病院でなんとか提出しきったことを覚えています。
そしてその頃の私は出願書類を提出した解放感もあり、MPHを取得したらいいジャーナルに研究成果をどんどん発信できると思っていました。
しかしながら今は、当時の私に(出願書類を出し切った努力はほめつつ)そんなに甘くないと諭してあげたいところです。
少なくとも米国のMPHを卒業したということだけではまだまだ(例えば論文という)Outputを出すには遠いところにいます。
米国のMPHはプロジェクトベースではなく、多くの講義をこなして単位を取得するのが卒業要件ですので、卒論などは要求されません。他国のMPHプログラム卒業生だと、もしかしたら違うと感じるところかもしれません。
しかしながらその大量のレクチャーの暴露+広く公衆衛生にまつわる言語を体得することにより何が身につくのか。それは最近、生涯学習の礎ではないかと思っています。
最近はオンラインでの学習教材が豊富にあります。しかしその多くは英語が主となり専門性の高いものが多いので、まったく基礎がないとかなりハードルが高いように感じるのではないかと思います。二年前の私だったら全く歯が立たなかったと思います。
また、BMJにはResearch Methods & Reportingというカテゴリーがありますが、こういう論文を読んで新しい疫学手法・解析手法を勉強することができるようになりました。これは間違いなくMPHを通して得ることができたものだと思います。
もちろん個人個人のレベルによって得られるものは違うはずですが、MPH取得を考えておられる方にとって一つの参考になれば幸いです。