多施設研究の維持と管理

ちょうど救急医学会に来ているのでそこで話題になったことを先に書こうかと。

今日は学会会場近くでJapanese Emergency Medicine Network (JEMNet)で行われている他施設研究(JEAN study)のmeetingが行われました。また同時にパネルディスカッションで日本の多施設研究に関しての発表が行われていたので、そこで出た問題点や対策を簡単にまとめてみます。

組織運営の問題点とその解決方法して、

  1. 人材の流動性:やる気のある若手を見つけるためのロビー活動、定期的な情報発信による魅力のアピール
  2. 資金の確保:Grant確保、企業を巻き込む
  3. モチベーションの維持:フェアなオーサーシップ、定期的なmeeting、Slackなどでのコミュニケーション、臨床的意義の共有、研究のバックアップ体制
  4. データの管理、質の維持:データセンターを別に設置して一元管理してもらう、ピラミッド型ではなくフラット組織(各専門家で分けて対応していく)
  5. スキルの向上:MOOCなどの資料を使ってfacilitateしていく、勉強会の定期的な開催

などが挙げられました。やはり主要研究者への依存が大きくなるのはどこの施設でも問題なので、若手を見つけて育てるというのは非常に重要なポイントです。でもざっくり声をかけてもなかなか集まらないので、地道な個別アプローチが最も効率的なように思います。

また今日の発表でもありましたが「研究に関しては様々なピースがありますが、それらのピースをbestにしてしまうと歪みが出るのでbetterで折り合いをつけるためのコミュニケーションが必要」というのは本当にその通りですね。

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