ハーバード公衆衛生大学院 受験体験記

ハーバードでMPH (Master of Public Helath)を始めてから、受験に関する相談を受けることが多くなりました。

私もネットで検索して色々なブログから非常に有益な情報をたくさん頂いて受験に臨みました。自分が合格したら受験体験記を書こう!とメモもしたためていました。しかし当時の私は、ブログに書いてあることは、所詮はるか彼方の合格者の体験で、彼らは雲の上の存在であまり参考にならないと思うこともしばしばありました。そして自分も含めて受かったら何とでも言えるわけで、〇〇点でも受かったよと励まされても、あの人はいい推薦状もらってたしなどとその人の合格要素を見出して、参考にならんとやさぐれていました。

最近論文を書かせていただいていて、Knowledge gapをよく考えるので、他のブログにないけどみんな知りたいことはなんだろうかと考えてみました。TOEFL (Test of English as a Foreign Language)は最低何点あればいいの?GRE (Graduate Record Examinations)の英語がわるいとだめなの?など私ははるか彼方の合格者より、合否のボーダーラインつまりこれをやれば落ちずに済んだ、の方が参考になるのにと思っていました。そこで思い切ってハーバードに受からなかった方々のお話を聞いてみようと思いました。他国のノンネイティブたちにも聞いてみたところ、複数回受験した経験など色んな人の苦戦した話を具体的に教えて頂きました。

センシティブな話題ではありますが、医療においてもこれやったらうまく行ったよりも、これやったらうまく行かなかった、とういことを次の人がやらないようにMorbidity and mortality (M&M) conferenceがあるのだと私は考えます。特に日本ではこういったことに触れない傾向があるように思いますが、このようなフィードバックがポジティブに働くことを期待してまとめました。

結論として合否の最大の要因は以下の3つだと思いました。

①TOEFL/IELTSとGREの英語

②受験するMPHのコース

③PS(Personal Statement)の内容がコースにマッチしているか

①+②英語に関してはまずIELST (International English Language Testing System)での応募はおすすめできません。そしてやはりTOEFL100点に満たずに合格するのはかなり厳しいようですが、MPHのどのコースを狙うかによって英語の比重が大きく変わるようです 。コースの種類や概要は省きますが、日本人に限ってはCLE(Clinical Effectiveness)が毎年5名程度、QM(Quantitative Method)/HP(Health Policy)が若干名、GH(Global Health)/HSB(Health and Social Behavior)/HM(Health Management)はほぼいないようです。これはMPH全体で見るとCLE自体が70%をしめるので必然的に日本人の応募者と合格者が増えることが影響していますが、英語に関してはCLE,QMと比較すると他のコースで英語の重要度が上がり、GHに至ってはスカイプで面接などあるようで日本人の合格は極めて稀なようです。

ちなみにHSPH (Harvard T.H. Chan School of Public Health)の公式HPのHow to apply にRequirementsと2014の合格者の統計も掲載されています。

How to apply

https://www.hsph.harvard.edu/admissions/admissions/how-to-apply/

2014の統計

https://www.hsph.harvard.edu/admissions/admissions/how-to-apply/2014-statistics/

③PSの内容に関しては、かなり読み込まれて評価されているようです。QMで応募したが、PSの内容からしてCLEがマッチしているとハーバードから連絡を受けてコースを変更した方もいましたし、当たり前のようですが、将来の目的とコースが確実にconsistentである事は非常に重要なようです。推薦状もPSを元に具体的に書いてもらい、提出する書類に一貫性を持たせるべきだと思います。あとはObservational studyにおけるCausal InferenceやHealth Care Disparityなどハーバードが大事にしているキーワードを盛り込むことをおすすめします。

他の戦略として、ネットワーキング(日本語でいうコネだと理解しています)も含めて、ハーバードのPPCR (Principles and Practice of Clinical Research)を受ける、または前年のSummer PCE (Summer Program in Clinical Effectiveness) 15単位/8wに応募して、それがいかに有益だったかPSに述べつつそこで講義してもらったハーバードの教授に推薦状を書いてもらい、その年にMPHに応募して次の年に残りの30単位を取る(合計費用と単位数は変わりませんが期間が長い)という手もあると思います。夏に8週間仕事を休ませてくれる職場の理解が必須にはなりますが、Summer PCEの合格のハードルはMPHよりは低い印象ですし、いずれにせよMPH45credit CLEコースはSummer PCEを受けないといけないのでありかなと思います。

以上です。最後に私の体験を少しだけ。私が一番大切かつ確実に誰でもできると思っているのは、早く応募すること、です。それほど賛同が得られずにいますが。。。

昨年勤めていた在沖縄米国海軍病院のメンターにとにかく早く応募することが大事、ギリギリに応募するとprocrastinateするやつだと評価される、とさんざん言われたのでSOPHAS (Schools of Public Health Application Service)がオープンしてすぐにハーバードも含め全米10個程度のMPHプログラム (Harvard, Hopkins, Berkeley, Columbia, Yale, Pittsburg, New York Universityなど)に応募しました。11月頃から合格通知がちらほら来て、早々にそれぞれの大学院から奨学金のオファーもありました。自分の成功体験を肯定化してしまいがちなことは重々承知した上で、やはり早く応募したおかげだと今も思っています。ちなみにハーバードの合格発表は一番最後で2月でした。そして間髪いれずに長谷川研究室に応募しました。

私の最大の反省点は奨学金の応募に出遅れたことです。奨学金についてはいろんなサイトにまとめてあるので省きますが、 合否発表の後に応募できたのは下記の二つのみで、

世界銀行

http://www.worldbank.org/ja/country/japan/brief/scholarships

神山財団

http://www.kamiyama-f.jp/scholarship/

両方とも頂けるというミラクルが起きましたが、MPHに応募する前年から全力で探すことをおすすめします。

長くなりましたが、可能ならばこの記事をより良いものにしたいので、何か意見や質問があれば個人的に返信させていただきますのでコメントをいただければ幸いです。

受験の相談もいつでもどうぞ☺︎

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