学会抄録の論文化率

日本プライマリケア学会の抄録発表のうち、論文化されたものはたったの3.8%であったとする報告を栃木医療センターの駒ケ嶺先生からご紹介いただきました。矢吹先生との共著です。

http://bmjopen.bmj.com/content/8/6/e021585

なかなか衝撃的な数字だと思いますが、納得でもあります。米国の救急学会(SAEM)だと30-40%ほどのようです(データが少々古いですが)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15347553

SAEMの学会抄録の査読を担当したことがありますが、その時はまずinitial reviewで大部分の不適な抄録がリジェクトされた後、下記のようなクライテリアを元に2名が各論文のスコアリングを行って提出しました。採択率は60%ぐらいだったかと思います。
https://www.saem.org/docs/default-source/annual-meeting/2017-Annual-Meeting/saem-abstract-scoring-2017-5-18-edited.pdf?sfvrsn=304526fd_4

日本プライマリケア学会に演題を出したことがないので査読がどのようなプロセスで行われているのかわかりませんが、日本の救急医学会や集中治療学会はどれくらいなのか興味のあるところです。

一つ大事なのは学会抄録は目標ではなくて、あくまで自分の研究の発表の場であるということです。海外の学会だと多くの場合、論文化されている・投稿中のものを抄録として提出しますが、日本だと「まずは学会発表にしてみれば?」というスタンスです。一部を除き、出したらほぼ通るのが多くの日本の学会ですから、これでは抄録の質も上がらないでしょう。指導する人もいなければ査読のプロセスも不明…まだまだ臨床研究の土壌が出来てきているとは言い難いと思います。

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