ハーバード公衆衛生大学院の教育を受けてみて(1)

はじめまして。リサーチフェローの平山と申します。
この8月からHarvard T.H, Chan School of Public Health(HSPH)のMaster of Public Health (MPH: 公衆衛生学修士)過程に進学しております。

HSPHはSemester制をとっており、多くのMPH生はFall(秋学期:9-12月)、Spring(冬学期:2-5月)の2期で卒業を迎えます。さらに授業構成上各学期2つにわかれ、(FallならFall 1, Fall 2の二つに分かれます)、本日はそのFall 1が終わった日でした。正直未消化の部分も多々あり、自分の至らなさを自覚する日々ですが、今ここにいられることに感謝しながら記事を書こうと思います。

今回取り上げたいのはアメリカの(大学院)教育についてです。
私はこれまで日本での教育しか受けた経験がありませんが、幸いにも日本で学生さんに教育する立場も少々経験いたしました。そんな私がアメリカの大学院生になってみて、教育の違いに驚かされています。
私のコースが専門職大学院と呼ばれる実務者向けのコースなので、すべての場合には当てはまらないと思いますが、教育の方法そのものについてはアメリカから学べることは多いと感じています。

入学前からアメリカの大学は予習復習に割く時間がが膨大であることを聞かされていたので覚悟していました。やはりそれは事実で、予習復習を行うことを当然と思える心構えに加えていかに効率的にこなしていくかが重要になります。
私がFallで選択してる『Critical Thinking and Action
For Public Health Professionals』というクラスは、毎週月曜・水曜に110分の講義があり、その講義までに大量のリーディング(+時にはビデオ講義)が課されます。そして講義中はlecturerと約50名の学生がディスカッションをしながら内容の理解を深めていく形になります。これはケーススタディメソッドと呼ばれ、Business Schoolが有名ですが近年公衆衛生大学院にも急速に普及しつつある講義形式です。
日本では恥ずかしながら予習というものに時間を割いた記憶がありません。
しかし、これは教育をする立場になって初めて身に染みてわかったのですが、受講者がある程度予備知識を備えて授業に来てくれれば、はるかに建設的で一歩進んだ内容まで教えることができます。
ではどうやって学生たちにしっかりと予習をさせるのか。
もちろん高額な学費を払い、入学から卒業までわずか9か月という限られた期間に学べるものを学ぼうと学生たちは本当に一生懸命です。
とはいっても人間だれるときはありますし、学生の中には当直帯や週末に臨床業務をこなしながら受講している人もいます(本当にすごいと思います)。
次回以降それをサポートする仕組みについて私見を述べたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です